民(たみ)と 鳥(とり)の 舎(いえ)と書いて、「みどりしゃ」と読みます。
布まわりのものを中心に、東京で製作をしています。
布を探して選び衣服の造形を一着ずつ考えて作る事や、使ううちに出来た綻びを直す事、またあるものを解体して別のものに作り変えるという作業。
これらを通して、時代の先端の何かというよりもその逆の、布を扱って人の身体を包むという事をしてきた先人の根源的な感覚に近づいて行くように、製作人個人は感じる時があります。意匠と装身具の歴史は古く、単に防寒や皮膚の保護の為だけでない装飾という概念を持ってものをしつらえる営みを先史時代かさらに古い時期から人は始めていたと言われています。布を扱う原始的な感覚について掘り下げて探りながら、自分のしている仕事を民鳥舎と名付けました。人が自らの住む家で、自然の近くに居ながら自分や周りの人が着るものを作っていた時代とあまり変わらない事を、自分も続けているのではないかと思います。